【東京国立博物館】ポンペイ展【平成館】
東京国立博物館にポンペイ展を見にやってきました。
東京国立博物館・平成館
ナポリ国立考古学博物館の至宝が東京にやってきました。
古代ギリシャ・ローマの世界を堪能します。
紀元79年の10月、イタリア半島南部の町・ポンペイをベスビオ山の火砕流が時速100キロで襲いました。
「バッカスとベスビオ山」(62〜79年)
噴火前のベスビオ山の様子を描いた唯一の作例で、フレスコ画です。今の山と随分違います。山頂部が全部吹っ飛ぶほどの強烈な噴火だったのでしょうか?
ベスビオ山の火山灰に埋もれて忘れられたポンペイの町は18世紀に発掘され、空前のブームになりました。
「女性犠牲者の石膏像」(79年)
ポンペイの火山灰の中では、埋もれた遺体部分だけが腐敗消失し、空洞となっていました。
その空洞部分に石膏を流し込み、生々しい犠牲者の姿を再現しています。ポンペイでの犠牲者は1000名くらいではないかと推測されます。
「遺物が塊になったもの」(79年)火砕流の高熱ぶりをうかがわせます。
「フォルム(中央広場)の日常風景」(62〜79年)
ポンペイは人口1万。繁栄を謳歌していました。
「水道のバルブ」(1世紀)
すごい。ポンペイは水道設備が完備され、公共浴場もありました。
「擬アルカイック様式のアポロ」(紀元前1世紀後半)
頭には月桂冠、左手には竪琴を抱える太陽神アポロ。古代ギリシャのアルカイック様式を模しています。
長らく南イタリアはギリシャ人の世界が続いていたので、ギリシャ文化の影響も色濃く残ります。
「食卓のヘラクレス」(紀元前1世紀)
「三美神」(前15〜後50年)
「ウェヌス」(50〜79年)
これはエルコラーノからの出土らしいです。
ポリュクレイトス「槍を持つ人」
ポリュクレイトスによる紀元前450〜440年頃のギリシャ彫刻がオリジナルです。紀元前後のローマン・コピーで、カッラーラ大理石で彫られています。
この作品はポンペイの運動場に埋まっていました。
ギリシャ彫刻のコントラポストは、後のルネッサンス彫刻にも影響を与えました。
ヤマザキマリさんの「テルマエロマエ」第1巻の表紙に使われた作品です。
この手は復元っぽいな。
「ビキニのウェヌス」(前1世紀〜後1世紀)
装身具を表す金彩が残り、確かにビキニっぽいですね。
「ブドウ摘みを表した小アンフォラ」(1世紀後半)
紺青色のガラスに白色ガラスを重ねたカメオ・ガラスです。
「俳優」(1世紀後半)
背後の写真は円形闘技場。ポンペイの闘技場は石造で、ポンペイの人口を超える2万人を収容できました。
「辻音楽師」(前1世紀)
楽しげな日常を切り取ったモザイク画です。
「ヘタイラ(遊女)のいる饗宴」(1世紀)
これもエルコラーノからの出土らしいです。
「エウマキア像」(1世紀初頭)
ポンペイの毛織物業の組合が、業界の保護者であったエウマキアを顕彰するために作った彫刻です。
裕福な女性が商業活動を展開し、市内で力を持っていたことを表します。
「マトローナ(既婚女性)」(1世紀)
「書字板と尖筆を持つ女性(通称サッフォー)」(50〜79年)
女流詩人のような知的な美です。今回、一番気に入った作品かな。
「テーブル天板(通称メメント・モリ)」(前1世紀)
食堂に飾られていたモザイク画です。髑髏は不気味ですが、誰にでも死は訪れる。ならば現世を楽しもうという意味があるようです。古代ローマ人に、キリスト教のような死後の世界は無いんですね。
「炭化したパン」(79年)
ポンペイの窯の中から出土しました。古代ローマ人にとってパンは主食でした。ちぎりやすいよう切れ目が入ってますね。
「三美神のカメオ」(前1世紀〜後1世紀)
「猛犬注意」(1世紀)
訪問者に番犬の存在を示す主題は帝政期に広く見られたそうです。
「アレクサンドロス大王のモザイク」(複製)
ファウヌスの家という豪邸のモザイク床として飾られていた「アレクサンドロス大王のモザイク」の複製が見られます。ナポリの考古学博物館で本物は修復作業中ですね。
これがアレクサンドロス大王。教科書で見たことのあるモザイク。
突き刺されている兵士。
狼狽えるペルシャ王・ダレイオス三世。
馬も必死や。
「踊るファウネス」(前2世紀)
ファウネスの家のアトリウムに置かれた象徴的な像です。
ギリシャ神話のサテュロスを表しています。
サテュロスは酒の神バッカス(ディオニュソス)の従者です。
「スフィンクスのテーブル脚」(前27〜後14年頃)
初代ローマ皇帝アウグストゥス時代のものらしい。
「ネコとカモ」(前1世紀)
これもファウネスの家から出土。
猫ちゃんの可愛さは時代を超える。
「葉綱と悲劇の仮面」(前2世紀末)
「竪琴を弾くアポロ」(前1世紀)
左手に竪琴を、右手にピックを持っていました。
「ペプロスを着た女性(通称踊り子)」
ポンペイ北方のエルコラーノから出土。
エルコラーノの「パピルス荘」という邸宅の中庭から出土しました。女神の群像の一つと考えられます。
「ヒョウを抱くバックス」(前27〜後14年頃)
ポンペイから見て、ベスビオ山の向こう側に位置するソンマ・ヴェスヴィアーナから出土しました。
ソンマ・ヴェスヴィアーナは東京大学のチームが中心になって、発掘作業を進めています。
「ペプロスを着た女性」(2世紀)
これもソンマ・ヴェスヴィアーナからの出土です。
これがミュージアム・ショップ。
炭化パンのグッズが多かったですね。
撮影いっぱいできてよかったです。いつかナポリに行きたいですねえ。