ローマ歴史巡り⑧【トラステヴェレ、カラヴァッジョ教会】
イタリア、ローマの旅行記です。
- サンフランチェスコ・ダッシジ・ア・リーパ教会
- サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
- 夜のナヴォーナ広場
- ポポロ広場
- サンタマリア・デル・ポポロ教会
- スペイン広場
- トレヴィの泉
- サンタゴスティーノ教会
- サン・ルイジ・ディ・フランチェージ教会
トラムに乗って、ローマの下町トラステヴェレ地区にやってきました。
トラステヴェレは「テヴェレ川の向こう側」という意味です。
サンフランチェスコ・ダッシジ・ア・リーパ教会
まずはサンフランチェスコ・ダッシジ・ア・リーパ教会にやってきました。
ちょっと小さめの教会です。
アッシジの聖人フランチェスコが宿泊した地に、この教会が建てられました。現在の教会は17世紀の後半につくられました。
この教会が有名なのは、ベルニーニ作の彫刻があるからです。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」
暗くて遠くて、よく見えないし、よく写せなかった。もう少し早い時間に来た方が良かったですね。次来るときは朝イチで来ます。
生涯を貧しい人々のために尽くした女性・ルドヴィカ・アルベルトーニは死後、福者に列せられました。今まさに天に召される瞬間ですが、官能的に刻まれています。この彫刻をベルニーニは80歳近い年齢で刻んだのです。
実はミサ中。しかも工事中のところを特別に見せてもらえましたので、文句を言ったらバチが当たります。
マールテン・デ・フォス「無原罪の御宿り」
1555年頃の作品です。
シモン・ヴーエ「聖母の誕生」
アントニオ・デッラ・コルニア「聖母被昇天」
トラステヴェレの大通りの方に向かっていきます。
トレステヴェレは庶民的な下町です。
若者が夜に集まる街でもあります。今18時くらいですが、だいたい20時くらいから活気が出てくるようです。
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会は4世紀半ばに完成された、おそらくローマの最初の公式教会堂と言われます。
ファサードのモザイクが見ものです。「玉座の聖母子」13世紀の美しいモザイクです。中央の聖母マリアがイエスに授乳しています。
基本的には12世紀の再建当時の姿を止めています。ロマネスク様式に分類されます。
見事な格天井はドメニキーノがデザインしたものです。
後陣の12世紀のモザイク画。「キリストと聖母」。キリストは聖母の肩に手を置いています。
トレステヴェレの夜は活気づきます。
外国の若者の街らしく、落書きが多いですね。
DAR POETAに入って見ました。
トラステヴェレのピザの有名店らしいですね。
大きくて食べきれませんでした。
噴水の広場のところで、ストリート・ミュージシャンのパフォーマンスやってた。
ボブ・マーリーの「ノーウーマン、ノークライ」やってた。まるで夜祭の雰囲気で楽しい。
テヴェレ川です。遠くにサン・ピエトロ大聖堂が見えます。
夜のナヴォーナ広場
ライトアップされると一味違いますね。
もう遅いので宿に帰ります。
さて、翌朝もローマの街巡りをしていきます。まずは地下鉄でポポロ広場へと向かいます。
フラミニーノ駅です。
ポポロ広場
ここがポポロ広場です。ポポロとは市民の意味らしいですね。
17世紀に建設された双子の教会が並びます。
フラミニアのオベリスクです。初代皇帝アウグストゥスがエジプトから持ち込みました。
ピンチョの丘はローマを眺望できるスポット。
これはポポロ門で、北からのローマへの巡礼者の入り口となりました。
サンタマリア・デル・ポポロ教会
その隣がサンタマリア・デル・ポポロ教会です。
ファサードは修復中ですね!その名の通り、市民の寄付によってつくられたとか。
主祭壇です。
主祭壇に祀られる「市民の聖母」です。
チェラージ礼拝堂です。
アンニーバレ・カラッチ「聖母被昇天」
本来この礼拝堂はすべてアンニバーレが完成させる予定でしたが、別の仕事が入ったため中断。後任を引き受けたのはカラヴァッジョでした。
カラヴァッジョ「聖ペテロの逆さ磔」
アンニバーレの両脇をカラヴァッジョが飾ります。
キリストの一番弟子であるペテロは、キリストの気持ちを知るため、さらに苦しい逆さ磔を望み殉教します。
カラヴァッジョ「聖パウロの回心」
ユダヤ教徒サウロはキリシタン迫害のため、ダマスカスへ向かう途中に天からの光に打たれ、一瞬で回心します。そして名前をパウロと改め、聖人となっていきます。
キージ家礼拝堂です。ラファエロによって設計された礼拝堂です。
またラファエロは天井のモザイクの下絵も描いているそうです。
セバスティアーノ・デル・ピオンボとフランチェスコ・サルヴィアーティ「聖母マリアの誕生」
1555年の作品です。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ「獅子と預言者ダニエル」
獅子の洞窟に投げ込まれながらも、喰われなかった預言者ダニエルです。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ「ハバククと天使」
預言者ハバククの髪を天使がつまみ上げます。獅子の洞窟にいるダニエルに食事を届けるよう伝えています。
ロレンツェット「預言者エリア」
1540年頃の作品です。
ロレンツェット「預言者ヨナ」
1540年頃の作品です。
スペイン広場
ようやく超有名どころに来ました。この近くにスペイン大使館があるため、スペイン広場と呼ばれます。
手前がスペイン階段。奥にトリニタ・デイ・モンティ教会が見えます。
映画「ローマの休日」でヘップバーンがジェラートを食べた場所ですね。
有名な場面ですが、現在は階段の座り込み、飲食は禁止されています。警官がたくさんいて、座りそうな姿勢をした瞬間に、すごい勢いで注意されます。確かに座ってるやつはいない。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ「舟の噴水」
トレヴィの泉
次にトレヴィの泉にやってきました。ここも有名観光地です。
1762年に建築家ニコラ・サルヴィによって完成されました。
世界中から観光客が集まります。
中央には水の神ネプチューン(ポセイドン)。左右に女神を従えています。
「ローマへもう一度戻りたいなら、この泉で後ろ向きにコインを投げよ」という有名な言い伝えがありましたね。
コインはどこの国のものでもご利益はあるらしいですね。本当かね?
トレヴィでジェラート食べました。いくらローマでも今回食べ過ぎでしたと後で反省。
トレヴィといえば、映画「甘い生活」のアニタ・エクバーグの名場面を思い出します。ただし真似して泉に入ると高額の罰金を取られるそうなので真似しないよう。
ヘップバーン土産も買ってみました。
ローマを訪れてますますヘップバーンが好きになりました。銀幕の向こうで彼女たちは永遠に生き続けます。
ピエトラ広場です。
大理石の11本のコリント式列柱は、145年にハドリアヌス帝の神殿として建てられました。
ここがモンテチトーリオ宮で、現在イタリア国会の下院として使われています。オベリスクは紀元前6世紀にエジプトでつくられたもの。建物はベルニーニの設計。
サンタゴスティーノ教会
15世紀末につくられた初期ルネッサンス教会です。
ここも修理中です。
聖堂に入ってすぐ左手にカヴァレッティ礼拝堂があります。
カラヴァッジョ「巡礼者の聖母(ロレートの聖母)」
1605年作。巡礼者のもとに、突如聖母子が出現する瞬間ですね。聖母子はやたら現実的ですが、聖母のモデルはカラヴァッジョの愛人(娼婦)だとか。悪童カラヴァッジョの本領発揮という感じですね。
この巡礼者の汚い足の裏が、カラヴァッジョのリアリズムです。
ラファエロ「預言者イザヤ」
フレスコ画です。20世紀に修復されてラファエロの色彩が蘇ったそうです。
ラファエロの絵の下にはアンドレア・サンソヴィーノの「聖アンナと聖母子」の像が見えます。
ヤコポ・サンソヴィーノ「安産の聖母」
ローマの妊婦の信仰を集めている聖母像だそうです。お供え物が多く見られますね。
無事出産を終えた妊婦さんたちの感謝を集めてるようです。
サン・ルイジ・ディ・フランチェージ教会
この教会はその名のごとく、ローマ在住フランス人のための国民教会だそうです。
修理中ですかね。
ブルボン王家の紋章が見えます。ちなみにこの教会の建設には、フィレンツェのメディチ家からフランス王家に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスが多大な援助をしています。
この教会の見所は何と言ってもコンタレッリ礼拝堂のカラバッジョのマタイ連作ですね。
カラヴァッジョ「聖マタイと天使」
もともとフランス人のマシュー・コントレー枢機卿の依頼で別の画家が描くはずでしたがその画家の多忙のため、まだ無名だったカラヴァッジョが抜擢されました。カラヴァッジョのパトロンだったデル・モンテ枢機卿の尽力があったと言われています。
カラヴァッジョ「聖マタイの召命」
1599〜1600年のカラヴァッジョの出世作です。発表されるや否や大評判となり、教会には人が押し寄せました。バロック芸術の幕開けと言われる記念碑的作品です。
右側で徴税人マタイを指差してるのがイエス。マタイはうつむいて金を数えてる男と言われています。
カラヴァッジョ「聖マタイの殉教」
1600年の作品です。
教会で説教中にフンドシの刺客に襲われた聖マタイ。聖マタイはよく見ると天使から殉教の印である棕櫚の葉を受け取っています。ちなみにフンドシ男の左奥にカラヴァッジョ自身が顔をのぞかせています。
チャールズ・メリン「幼きキリストへの崇拝」
プラウティッラ・ブリッチ「フランスの聖ルイージ」
13世紀のフランス王で、ブルボン家の祖となったルイ9世を描いています。この教会もそもそも聖人となったルイ9世に捧げられた教会なのです。
プラウティッラ・ブレッリは女流画家です。
なるほど。ジャンヌ・ダルク像があるのはフランスだからか。
ドメニキーノによる天井画です。
中央礼拝堂です。
フランチェスコ・バッサーノ・イル・ジョーヴァネ「聖母被昇天」
1589年作の主祭壇画です。
この教会はフランス語でミサが開かれますが、ミサの際にこのパイプオルガンが使用されます。