浜省雑談①1st、2ndを語る【浜田省吾】
浜省をテーマに、友人の「柴犬のシッポ」さんと徹底雑談していきたいと思います。場所は御徒町の某カフェ。
目白「今日は初期の浜省について語り合いたいと思います」
柴犬「よろしくお願いします」
目白「最近、70年代のアルバムのリマスターが出ましたね。聞きました?」
柴犬「いやあ、まだなんですよ」
目白「私もまだです。聴きたいんですけどね」
柴犬「『Home bound』より前のアルバムのデジタルリマスターはされてませんでしたからね。ある意味、待望の初期作品の復活ですね」
目白「そのうち聴いてみたいです」
柴犬「音圧が改善されるだけでも聞く価値はありそうですね」
目白「さて、ファースト『生まれたところを遠く離れて』はヘヴィなサウンドでした。完成した時に拓郎や泉谷に『こんな重いサウンドじゃ売れないよ』と心配されたらしいですね笑」
柴犬「歌い方も力が入ってて。世良公則みたいだった笑笑」
目白「私が最初に浜省を聞いたのは1987年、『Jboy』でした。その後、『サンドキャッスル』と、聞きやすいものばかり聞いてて。で、その後に友人に1stを聞かされたもんだから、ヘビィなサウンドに唖然としたことを覚えてますね」
柴犬「後の歌い方と全然違いますしね」
目白「『街角の天使』とか『壁に向かって』とか、そこまで力む必要あるん?と思ったな」
柴犬「『街角の天使』は大貫妙子とデュエットする予定だったんですね」
目白「のちにリメイクアルバム『初夏の頃』で、女性とデュエットしてましたね。あれは良かった。女性voは区麗情って人ですか?」
柴犬「いや、区麗情じゃないですね。誰だか忘れましたが、そんな有名じゃない人」
(wikiで調べたら真城めぐみという人でした)
目白「でも、どうせだったら大貫妙子を使って欲しかったですねえ」
柴犬「ですね」
目白「さて『路地裏の少年』は日本のロックの歌詞の原型だ、という説もありますよね」
柴犬「『路地裏の少年』はイントロがいいんですよ。歌詞については、映画のワン・シーンみたいな、スケッチの巧みさに感心しましたよね」
目白「そう、スケッチですよね。『路地裏の少年』の新しさってのは、スケッチをオムニバス的に並べて、全体として青春群像みたいな雰囲気を出したことですよね。また、そのスケッチがいちいち瑞々しかった笑 たとえば『アルバイト、電車で横浜まで』の歌詞に、どれだけ我々の胸は高鳴ったか笑 後は『さよならの意味さえも知らないで』。ここで「さよなら」という言葉の持つ爽やかな、蒼ざめた悲しみに初めて気がつきましたね。柴犬さんは1stではどの曲がお好きですか?まあ『路地裏』は別格として、それ以外で」
柴犬「私、何気に『悲しい夜』が好きですね」
目白「ああ、いいですね。二十歳そこそこであの成熟した味を出せるんだから、最初からソングライティングの能力は飛び抜けてたんですね」
柴犬「あとは一番キャッチーな『朝からごきげん』とか」
目白「イントロのハモンド・オルガン、拓郎っぽいですね。あれはシングル・カットされました?」
柴犬「いや、してませんね」
目白「愛奴がシングル・カットしてませんでしたっけ?」
柴犬「ああ。ただ愛奴のはもう浜田が脱退した後ですよね」
目白「愛奴も成功しませんでしたけど、うまくすればスーパーグループになれたんじゃないですかね」
柴犬「そうですか?」
目白「浜省のソングライティング能力と、青山徹のギター能力があれば・・」
柴犬「ただそれ以外が少し弱かったですからね」
目白「愛奴といえば1985年のつま恋復活ステージは何かに収録されてないんですかね?」
柴犬「拓郎のラストコンサートのつま恋ですよね。ゲストミュージシャンの曲は版権の問題があるのかもしれないけど。聞いたことないですね」
目白「あの時、拓郎に『浜田、ドラム上手くなったな』と言われたのは有名な話ですけど笑」
柴犬「自分でも言ってましたね。『自分は史上最低のドラマーだ』って笑
でもyoutubeで愛奴の『シンシア』の動画を見た時は感動したな。上手い、下手は関係なく浜省のドラム演奏を見れただけで感動した」
目白「つま恋でも『シンシア』は演奏してますね。日本のミュージシャンも、ディランのブートレッグシリーズみたいに過去の貴重なライブ音源を放出してほしいですね」
柴犬「浜省脱退後の愛奴は、青山徹が拓郎のバックバンドに一本釣りされてまもなく解体してしまいます」
目白「1stの話に戻りますと『HIGH SCHOOL ROCK & ROLL』って曲もありましたね。私、浜省の母校の呉三津田高校に巡礼したことあるんすよ笑」
柴犬「ブログの記事に書いてましたね。いやあ素晴らしい笑」
目白「あの曲は横浜銀蝿を数年先取りしてたんじゃないですか?」
柴犬「確かに笑 つっぱりハイスクール笑 銀蝿、なめ猫ブームってありましたね。80年ごろでしたっけ」
目白「数年先取りしてますよね」
柴犬「ただユーモアという点では銀蝿のが上でしたけどね」
目白「『おっかあ』というのは面白いけど。せめて『Oh、Mam』にして欲しかった」
柴犬「あっ、ライブではそう歌ってましたよ」
目白「ああ、そうなんすか」
目白「さて、1stは予想通り全く売れず、失意のうちに路線変更を行います。2枚目の『Love Train』は一変して、ポップに振れたアルバムでした」
柴犬「ジャケ写がネタになってるアルバムですね笑 ラガーシャツに短パン、スニーカーと何のスポーツをやってるかわからない!と浜省自らライブでネタにしてますね」
目白「衝撃的なジャケ写でしたが、このアルバムも現在と歌い方が違いますね。今度は田原俊彦みたいな歌い方じゃないですか?」
柴犬「ちょっと軽い感じですよね。試行錯誤していた時期なんでしょうね」
目白「曲はさすが名曲が揃ってますね。特に『君に会うまでは』は何度もリメイクされていますね」
柴犬「あの曲は浜省が自分の結婚式で歌ったらしい。重要なレパートリーなんですね」
目白「特に『Best of 浜田省吾』に収録された2006年のピアノとストリングス主体のバージョンが好きです」
柴犬「シングルカットされた『愛のかけひき』も非凡な才能を感じさせるポップスです。シングルバージョンは高中正義が編曲してますが、アルバム未収録でちょっと入手しにくいんですね」
目白「それは聞いたことないです」
目白「浜省はヘビィなロックの1stと、ポップな2nd。2枚を合わせてデビューアルバムのような位置づけで考えてると発言しています」
柴犬「ああ、なんかで読んだことあります」
目白「それで柴犬さんに聞いてみたいんですが、1stと2ndから曲をセレクトして1枚のアルバムを作るとしたらどういう選曲になりますか?」
柴犬「ん〜、難しいですね」
目白「まず『路地裏の少年』は決まりですね」
柴犬「決まりですね。あとはどうかな・・。『朝からごきげん』、『街角の天使』、『壁に向かって』とかかな?」
目白「2ndからはどうですか?」
柴犬「まず1〜3曲目までは決まりですね」
目白「『雨の日のささやき』、『恋に気づいて』、『君に会うまでは』ですね」
柴犬「あとは〜『ラブ・トレイン』、『ラスト・ダンス』、『行かないで』あたりかな」
目白「こうしてみると曲は揃ってますね」
柴犬「初期浜省、侮れませんよ。新曲の『この新しい朝に』の動画とメドレーで、なぜか『青春の絆』、『壁に向かって』がyoutubeにアップされてましたし」
目白「あれはどうしたんですかね笑 唐突に1stの曲を復活させた意図は?なんでだろ?」
柴犬「リマスター盤の販促じゃないですか?」
目白「なるほど笑 今日はありがとうございました」