歴史と文化・巡礼の旅日記

歴史と文化を訪ねる紀行ブログです。

浜省雑談②3rd、4thを語る

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今日はまず恒例の靖国神社に参拝して来ました。

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その後、九段下のガストで第2回浜省雑談を決行。対談のお相手は前回と同じく「柴犬のシッポ」さんです。


目白「靖国、空いてましたね」

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柴犬「去年は8月15日に来てすごい人でしたからね」

目白「結局あまりの人出に、その日の参拝は諦めたんでしたが、炎天下の中、90分待ちだったみたいですよ。それに比べて、今年はゆったり参拝できました」

柴犬「遊就館では零戦も見れましたしね」

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目白「さて今日は浜省雑談の2回目で、78〜79年あたりを雑談していきたいと思います」

柴犬「アルバムで言うと、『イルミネーション』と『マインド・スクリーン』あたりですか?」

目白「まずは3枚目の『イルミネーション』から行きますか。サウンドとしてはだんだん洗練されてきた感じですね」

 

Illumination

Illumination

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柴犬「ここからアレンジに水谷公生を起用するんですよね。力のあるスタジオミュージシャンも使い始めて、サウンドが充実していきますね」

目白「最初のシングルは『涙あふれて』でしたね。この曲は変な思い出があって、昔我々ってS楽器店で夜中にセッションとかしてたじゃないですか?」

柴犬「やりましたね、若かりし頃」

目白「その帰りに、夜中の公園でギターでジャカジャカ演った時があって。で、柴犬さんが『涙あふれて』っぽいイントロを弾いたんですよ。それに合わせて私が『ホテルのバーに座り♪』って歌い出したら、柴犬さんがすごくビックリされたんですよ。『目白さん、それほど浜省ファンでも無いのにそんな昔の曲、よく知ってますね!』とか言って」

柴犬「ありましたね、そんなこと」

目白「確かにそんなに浜省知らなかったんですが、たまたま友人が浜省のラジオをエアチェック(死語)したテープを貸してくれて聞いてたんですよね」

柴犬「それって竹内まりやと共演したやつですか?」

目白「いや、違いますね。もしかして『Jboy 』共演とかしたんすか?」

柴犬「いや、もっと昔で、『涙あふれて』とかを演ってましたね」

目白「まりやの『Jboy 』も大好きなんですよね。実は浜省のより好きかも笑」

柴犬「このアルバムでは長く歌い継がれるバラードの名曲が生まれましたね。『片思い』とか『散歩道』とかね」

目白「いいよなあ。『片思い』は『サンドキャッスル』のバージョンよりこっちのが好きですね」

柴犬「自分もです。たいてい『サンドキャッスル』の方が好きなんですけどね」

目白「この頃から浜省の言語感覚が研ぎ澄まされて、キラーフレーズが生まれていく感があります。『あの人の微笑み、優しさだけだと知っていたのに、それだけでいいはずなのに、愛を求めた片思い』なんて。胸をえぐるフレーズですよね」

柴犬「確かに笑『片思い』ってかなりの人気曲で、けっこうカバーされてるんですよ。丸山圭子とか沢田知可子とか」

目白「女性が多いんだ。ちなみに尾崎豊が刑務所の中で『片思い』を口ずさんでいたという話を聞いて、グッときたことがあったんですが、それって本当ですかね?」

柴犬「知らない笑 」

目白「『散歩道』もいいですね。」

柴犬「あれはいいですね。昔そういう話もしたことありましたけど。あの曲には『一行のポップ性』が感じられますね。つまり『悲しいことは何も無かったような笑顔で僕の肩に頭を乗せて帰る散歩道』の一行で、心惹かれてしまうというか、なんとも言えず切なくなる」

目白「確かにいいですね。でも昔はあんな貧乏っていたんですかね?セーターも買えない奴なんているんでしょうか?」

柴犬「どうなんでしょう笑 売れない頃はミュージシャンも大変だったのかも」

目白「初期浜省はホリプロ繋がりの小遣い稼ぎなのか、芸能人への曲提供も多かったですよね」

柴犬「一番の大物は山口百恵ですかね。アルバム曲をかなり作曲してます。山口百恵の音楽プロデューサーの川瀬泰雄は愛奴も担当してましたから」

目白「なるほど。そういう繋がりがあったんですね」

柴犬「『LA.Blue』という山口百恵のアルバムでは、浜田は『ダンシン・イン・ザ・レイン』という曲を提供してるんですが、この曲を山口百恵は大変気に入って、自ら歌詞も付けてますね。横須賀恵のペンネームで」

目白「へえ、そりゃすごい。浜省と百恵ちゃんの合作があったんですね」

柴犬「浜田としてもかなり力を入れて書いた曲のようで『なんで俺の曲がシングルにならないんだ?』と思っていたようですね笑」

目白「確かにね。山口百恵のシングルだったら売れないわけないしな笑」

柴犬「ただ山口百恵がメロディを気に入ってくれて歌詞も書いてくれて、しかもアルバムの最後という重要な位置にしてくれたという事は嬉しかったようです」

目白「そうなんだ!一度聞いてみたいです」

柴犬「ちなみにこの『LA.Blue』というアルバムでは青山徹がリードギターをほとんど担当してるようですね。吉田拓郎が日刊スポーツ紙に

連載していたコラムによると『ギターは青山さんでお願いします』と山口百恵自身から指名があっての参加のようですね」

目白「へえ!山口百恵も意外にアーティスト志向だったんですね!アイドルのアルバムもちゃんと聞いてみると凄いのがけっこうあるから侮れないですよね」

柴犬「あとホリプロ関連では、和田アキ子にも『愛して』って曲を書いてますね。実は『愛を眠らせて』の歌詞違いの使い回しなんですけどね」

目白「あるあるです笑 あと浜省と言えば能瀬慶子を忘れちゃいけませんね笑」

柴犬「『アテンション・プリーズ』ですか笑」

目白「昔からネタ化されてる程の歌唱力なんですが、今回久々にYoutubeで見てみたらそれほど酷く感じなかったですけどね」

柴犬「まあ酷いのは他にもいっぱいいましたから。名前だしちゃ悪いけど西村知美とかミクレイカとかね」

目白「昔だったら浅田美代子だって強力でしたよ。それにしても能瀬慶子って、ホリプロスカウトキャラバンの優勝者で、百恵ちゃんの後継者と期待されてたわけですよね。当時の人気ドラマの『赤いシリーズ』にも使われたほどの」

柴犬「結局泣かず飛ばずでしたけどね」

目白「でもホリプロにとって能瀬慶子は、いわばドラフト1位的存在でしょ?それのデビュー曲とか、アルバムとかにも浜省を起用してますよね。売れてなかった頃でも、浜省の作曲能力ってのは相当高く評価されてたんでしょうね」

柴犬「能瀬慶子の音楽プロデューサーも山口百恵と同じ川瀬泰雄でしたからね。川瀬氏はメロディメーカーとして浜田をかなり買ってたようですね。でも悲しいかな他人への曲提供では、ヒットしたことが無いんですね」

目白「そう、これは驚きますよね。浜省ぐらいの実力とキャリアの持ち主が、本当に見事に1曲も成功してない。拓郎なら『襟裳岬』とか、大瀧詠一の『夢で逢えたら』とかね。中島みゆき、ユーミンとか何かしらあるのに。そもそも売れ出してからはあんまり曲提供しないんだけど」

柴犬「『イルミネーション』の話に戻ると『ミッドナイト・ブルートレイン』という大作がエンディングでしたね」

目白「70年代末にブルートレインブームがありましたけど、それに便乗した感じですかね?」

柴犬「どうなんでしょう笑 当時はスーパーカーブームもありましたし。乗り物には男のロマンが感じられますしね」

目白「そこにミュージシャンとしてのさすらいの心境を加えて、あの名曲が生まれたというところでしょうか。他にこのアルバムで好きな曲ってありますか?」

柴犬「いやあ、歌謡曲好きとしては『恋人たちの舗道』も捨てがたいんですよね」

目白「すみません笑 私はあまり・・。このアルバムってけっこう捨て曲ありませんか?どれとは言いませんが」

柴犬「いやあ。まあでも長年のファンにとっては、駄作含めて愛してしまってるので、基本捨て曲とは感じないんですよね笑」

 


目白「次は『マインド・スクリーン』です」

MIND SCREEN

柴犬「これは浜省自身が、曲作りという点で初期作品では最も満足してる出来らしいんですね」

目白「その話、聞いたことがあります」

柴犬「でも当時失語症的状態になっていて、どうしても歌詞が書けずに他人に歌詞を任せたんですね」

目白「女性作詞家を起用したんですね」

柴犬「その点でどうしても『自分の作品感』が感じられず、ライブで取り上げられることが少ないんですよ」

目白「そうなんすか」

柴犬「ただ『子午線』は気に入ってるらしくて、最近の特典CDにライブ版が収録されてましたね。森田由美の歌詞なんですけどね」

目白「でもあれをA面1曲目に持ってくるセンスは最高ですよね。他にも『インディアン・サマー』なんて浜省バラッド史に残る傑作だと思いますけどね」

柴犬「渋いですねえ笑」

目白「タイトルは小春日和って意味でしたか」

柴犬「でもこの曲も他の人(竜真知子)の作詞ですけどね」

目白「ちなみに『幻想庭園』って曲がありますけど、あのタイトルはどんな意味なんですか?」

柴犬「知らない笑 題名の由来はあまり調べたことないんですよ」

目白「作詞は後に松田聖子のデビュー期に起用された三浦徳子でしたね。『急げ!急げ!』の歌詞は『夏の扉』の『フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!』と似てないでもないような笑」

柴犬「どうでしょうか?笑」

目白「あと自作曲(作詞作曲)の充実はすごいものがありますね。『いつわりの日々』とかも。まあ私は『サンドキャッスル』バージョンの方が好きなんですけど」

柴犬「いやあ私も同意見ですね笑」

目白「『サンドキャッスル』バージョンは『傷つけ合わずにただ過ごすだけ〜(ためてためて)グッバイダーリン、グッバイマイラブ」の溜めがいいんですよ笑」

柴犬「なんと言っても『サンドキャッスル』バージョンは、青山徹の凄いギターソロに尽きますよね」

目白「あれは迫力ありましたね。歌詞も『君は安らぎを、僕は自由を』なんて上手い詞をよく考えついたもんだよなあ。清志郎に匹敵するよ。他では『グッドナイトエンジェル』も面白い曲でした。エレクトロ・ポップスという感じ?後の『リッチマンズ・ガール』に繋がる系譜のような気がします」

柴犬「後に『初夏の頃』でもリメイクされてましたね」

目白「時々思いがけないことしますよね、浜省って」

柴犬「面白い話としては『ダンシング・レディ』を田原トシちゃんが気に入って、歌番組か何かでいきなり歌ったらしいんですね。テレビでそれを浜省自身が目撃して驚いたそうですよ」

目白「ああ、wikiで読んだことあります。あれは本当なんですか?」

柴犬「らしいですよ。『ダンシング・レディ』に関しては大沢逸美もカバーしてますね。しかもシングルA面!」

目白「マジですか!知らなかった。でも売れてないですよね?」

柴犬「ええ」

目白「ボーイッシュな売り方でしたけど、意外に色っぽくて好きだったんですけどね、大沢逸美。いかんせんパッとしなかった。こうなったら能瀬慶子に復活してもらうしかないでしょ笑」

柴犬「もうかなりお年ですよ笑」

目白「40年ぶりに浜田とコンビ復活したりして笑」

柴犬「まさかの『アテンション・プリーズ』のリメイクですか!」